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 「いこいの森」の向かいに建つ日帰り入浴施設。右手に農村集落多目的共同利用施設を併設している。平成2(1990)年、上武利140番地で温泉掘削し、いこいの森まで1960m配管工事をして、ハウス栽培研究施設、シャワーなどに利用してきた。その後、平成10(1998)年4月、丸瀬布温泉「やまびこ」がオープンした。

・参考資料
「新丸瀬布町史上巻」他

◇基本データ
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■遠軽町丸瀬布上武、入浴料:大人500円(タオル貸し出し)、営業時間:(4月~10月)10時~21時、(11月~3月)11時~21時

公式HP


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 ロビー横の食堂
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 畳敷きの広い休憩所

◎大浴場
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 日替わりで「山の湯」(手前)と「木の湯」(奥)が男女入れ替わる。貴重品ロッカー(100円返却式)あり。

◇温泉分析書(脱衣所前掲示)
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令和元年9月10日に作成した温泉分析書(北海道薬剤師会公衆衛生検査センター)。泉温:41.8℃(気温:24℃)、湧出量:測定不能 ℓ/分(動力揚湯)、pH値:9.2、溶存物質:0.463g/kg、成分総計:0.463g/kg、
泉質:アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性温泉)(旧泉質名:単純温泉)

温泉分析書では丸瀬布2号源泉となっているが、「マウレ山荘ポッケの湯」にも利用している。「マウレ山荘」では、翠明荘時代の1982年に掘削した丸瀬布1号源泉を利用している。「北海道地熱温泉ボーリングデータ集~1990」によると、1953年掘削の高田温泉を丸瀬布町1号井、1982掘削の丸瀬布1号源泉を丸瀬布町2号井、丸瀬布2号源泉は丸瀬布町3号井となっている。

丸瀬布2号源泉(丸瀬布町3号井):掘削年1990年、深度1300m、掘削時湧出量279ℓ/分

◇温泉成分に影響を与える項目
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・衛生管理のため循環ろ過装置を通年使用している。
・入浴に適した温度に保つため通年加温している。
・衛生管理のため塩素系薬剤を通年使用している。

◇木の湯・内風呂
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 タイル張りの浴室に、主浴槽、薬湯、サウナ、打たせ湯、水風呂、ボディシャワー、シャワー付きカラン12台配置。シャンプー、ボディソープあり。

・主浴槽
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 無色透明の湯。壁面から湯が落水している。カルキ臭あり。側壁に循環吐出口3ヶ所と循環吸込口3ヶ所確認。湯底にも2ヶ所目皿付き湯孔があるが、湯縁からのオーバーフローがないので、循環戻り口の可能性がある。つるすべの浴感あり。
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2020/3/15、14時~14時20分、浴槽内でORP計測。加温循環ろ過方式で、塩素系薬剤使用。
浴槽:温度41.3℃、pH9.1、ORP値は391mvに収束した。

・薬湯
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 沸かし湯に薬湯を使用している。本日の薬湯はよもぎエキス。
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2020/3/15、14時~14時20分、浴槽内でORP計測。加温循環ろ過方式で、塩素系薬剤使用。
浴槽:温度40.1℃、pH8.0、ORP値は382mvに収束した。

・打たせ湯
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 打たせ湯が2条落水している。温泉だが、加温循環ろ過方式で、塩素系薬剤使用。

◇木の湯・露天風呂
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 無色透明の岩風呂。湯口から循環湯が約20ℓ分注いでいる。循環吸込み口から湯が吸い込まれている。つるすべの欲感有り。
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2020/3/15、14時~14時20分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水)。加温循環ろ過方式で、塩素系薬剤使用。
湯口:温度44.1℃、pH9.0、ORP値は384mvに収束した。
浴槽:温度42.6℃、pH9.1、ORP値は378mvに収束した。

◇電位-pH図
キャプチャ
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
塩素系薬剤使用でいずれも酸化系に有る。主浴槽、露天風呂は本来還元系であるべき温泉としての特性が失われている。

・主浴槽AI(△)(エージングの進行度mv)
 ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×9.1)×1000=412.3
  AI(△)=412.3-586≒-174