遠軽町瀬戸瀬地区のところで国道333号から道道493号に乗り換え、約9km南下すると原生林に囲まれた山峡の一軒宿が現れる。
「遠軽町史」によると、明治43(1910)年~44(1911)年頃、奥瀬戸瀬に入植していた鈴木周作が仲間と鹿猟に行った帰りに偶然、温泉を発見。札幌の青柳薬局で試料を分析後、道庁の認可を受ける。浴用としては低温で湧出量も少なかったのだろう。周辺を手掘りしたが期待した温度が出なかったらしい。その後、大正年間に伊藤弥四郎、鈴木吉衛門が掘削したも失敗に終わったようだ。
昭和25(1950)年になって町議会で温泉開発が俎上に載り、翌年、北海道大学福富博士の調査結果を受けて温泉掘削に乗り出す。同年、営林署署長から町長に転じた安達悦二郎のもとで数度の試掘を繰り返しながら、昭和29(1954)年9月、深度106mの掘削でついに43度の温泉が湧出した。昭和31(1956)年、瀬戸瀬温泉㈱を設立して湯宿を開業する。昭和44(1969)年6月、全館リニューアル。平成10(1998)年、経営難からリストラを進め、日帰り客メインの営業とし宿泊は素泊まりのみとなっている。
●参考資料
「遠軽町史」
「遠軽町百年史」
◇基本データ
■遠軽町字湯の里、入浴料:大人500円、日帰り営業時間:9時~19時、水曜休館
脱衣所手前にある休憩所
洗面所の専用蛇口の温泉水を協力金を払ってポリ容器に入れて持ち帰ることも出来る。飲泉も可能。
鄙びた雰囲気の脱衣所。コインロッカーは置いていない。
◇温泉分析書(休憩所掲示)
左2020/3/16撮 右2009年8月撮
平成26年7月3日に作成した温泉分析書(北海道薬剤師会公衆衛生検査センター)。泉温:42.8℃(気温23℃)、湧出量:不明(自噴)、pH値:9.3、溶存物質:0.157g/kg、成分総計:0.157g/kg、泉質:アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)(旧泉質名:単純泉)
◇温泉成分に影響を与える項目
脱衣所手前にある休憩所
洗面所の専用蛇口の温泉水を協力金を払ってポリ容器に入れて持ち帰ることも出来る。飲泉も可能。
鄙びた雰囲気の脱衣所。コインロッカーは置いていない。
◇温泉分析書(休憩所掲示)
左2020/3/16撮 右2009年8月撮
平成26年7月3日に作成した温泉分析書(北海道薬剤師会公衆衛生検査センター)。泉温:42.8℃(気温23℃)、湧出量:不明(自噴)、pH値:9.3、溶存物質:0.157g/kg、成分総計:0.157g/kg、泉質:アルカリ性単純温泉(低張性アルカリ性高温泉)(旧泉質名:単純泉)
◇温泉成分に影響を与える項目
・4項目該当なし。源泉100%掛け流し。
◇内風呂(男湯)
2020/3/16撮
冬季は湯気でぼやけて見える。タイル張りの鄙びた浴室に瓢箪形の大浴槽1槽。奥のスペースに岩を配している。
2020/3/16撮
かけ湯、シャワー付きカラン5台。かけ湯、カランとも温泉。シャンプー・ボディソープあり。
2009年8月撮
極微乳色を帯びたほとんど透明の湯船。岩湯口から約20ℓ/分注いでいる。知覚的には、ほとんど無味無臭。溢れた湯は湯縁からオーバーフローしている。つるすべの浴感と弱めながら泡付きもある。
2020/3/16、9時~9時20分、浴槽内でORP計測。源泉100%かけ流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度42.7℃、pH9.3、ORP値は178mvに収束した。
浴槽:温度42.6℃、pH9.3、ORP値は188mvに収束した。
◇電位-pH図
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
還元系にあるが平衡系に接近している。pHは高いが成分も薄くて、ほとんど川水のORPに近い。自噴状況も影響か?
・浴槽AI(△)(エージングの進行度mv)
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×9.3)×1000=402.9
AI(△)=402.9-381≒22
◇内風呂(男湯)
2020/3/16撮
冬季は湯気でぼやけて見える。タイル張りの鄙びた浴室に瓢箪形の大浴槽1槽。奥のスペースに岩を配している。
2020/3/16撮
かけ湯、シャワー付きカラン5台。かけ湯、カランとも温泉。シャンプー・ボディソープあり。
2009年8月撮
極微乳色を帯びたほとんど透明の湯船。岩湯口から約20ℓ/分注いでいる。知覚的には、ほとんど無味無臭。溢れた湯は湯縁からオーバーフローしている。つるすべの浴感と弱めながら泡付きもある。
2020/3/16、9時~9時20分、浴槽内でORP計測。源泉100%かけ流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度42.7℃、pH9.3、ORP値は178mvに収束した。
浴槽:温度42.6℃、pH9.3、ORP値は188mvに収束した。
◇電位-pH図
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
還元系にあるが平衡系に接近している。pHは高いが成分も薄くて、ほとんど川水のORPに近い。自噴状況も影響か?
・浴槽AI(△)(エージングの進行度mv)
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×9.3)×1000=402.9
AI(△)=402.9-381≒22
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