産業道路沿いの「イオン湯川店」から函館市電湯の川線に向かう途中、眼科クリニック先の脇道を左折すると、「大黒屋旅館」に行き着く。大正7(1918)年創業の、日本建築の伝統を受け継ぐ老舗割烹旅館。平成26(2014)年5月からテトラグループが運営している。
◇基本データ
■函館市湯川町3丁目25−10、入浴料:大人500円、営業時間:6時~24時
◇宿泊
じゃらんネット【お手頃価格で2食付き♪】朝夕定食付きプランで一宿。7,710円(税込・サービス料・入湯税込、前払い)、ツインルーム(301号、バス・トイレ付)、全館無料Wi-Fi利用可能、チェックイン15時~18時、チェクアウト10時。エレベーターの設置はない。入浴時間は日帰り営業と同じ。
◇食事
食事は1階の大広間で頂く。夕食17時~20時まで、朝食7時~8時30分まで。
・夕食
エビフライ・鶏の唐揚げ(サラダ付き)、牛肉と野菜の煮物、刺身、茶碗蒸し、和え物、ご飯、味噌汁、漬物。ご飯はセルフサービス。
・朝食
朝食は和定食。鮭の塩焼き・卵焼き、イカの刺身、サラダ、煮物、きんぴら・ほうれん草・たらこ、海苔、ミニ小鉢、ご飯、味噌汁。ご飯はセルフサービス。
コーヒーセルフサービス。
脱衣所に貴重品ロッカーは置いていない。
◇温泉分析書(脱衣所前掲示)
平成25年3月11日に作成した温泉分析書(第一岸本検査センター苫小牧本社)、泉温:64.1℃(気温:7℃)、湧出量:ℓ/分( )、pH値:6.8、溶存物質:8.829g/kg、成分総計:8.968g/kg、泉質:ナトリウム-塩化物泉(中性等張性高温泉)(旧泉質名:食塩泉)、 函館市水道局の混合源泉(1号井・2号井・3号井・4号井)を利用している。
「北海道地熱・温泉ボーリング井データ集1990」(北海道立地下資源調査所)による掘削時のデータ
湯の川1号井:1960年掘削、深度83.3m、湧出量128ℓ/分、泉温65度
湯の川2号井:1960年掘削、深度83.3m、湧出量169ℓ/分、泉温65度
湯の川3号井:1960年掘削、深度83.3m、湧出量 42ℓ/分 泉温65度
湯の川4号井:1960年掘削、深度83.3m、湧出量117ℓ/分、泉温65度
いずれも函館市熱帯植物園に泉源がある。
◇温泉成分に影響を与える項目
温度調節なし、加水なし、殺菌塩素、入浴剤なし、循環ろ過装置あり。
◇内風呂(男湯)
タイル張りの浴室に浴槽、シャワー付カラン8台配置。シャンプー・ボディソープあり。
無色透明の湯。袋を被せた湯蛇口から約5ℓ/分注湯。知覚的には強塩味、無臭。傍らには加水蛇口がある。
溢れた湯は排湯口から排湯している。側壁の吐出口から循環湯が吐出し、湯底の吸込み口から湯が吸い込まれている。湯表示では塩素使用となっているが、吐出口付近のORP値は他と変わらないことから、入湯時、塩素系薬剤は控えているようだ。循環併用なのは湯温を一定に保つ目的もあるが、函館水道局との契約供給量を少なめに設定している可能性がある。やや熱めだが、滑らかな肌触りである。
2019/8/18、16時30分~40分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水し、50℃で測定開始)。循環&掛け流し併用方式、(入湯時)塩素系薬剤未使用。
湯口:温度58.9℃、pH6.8、ORP値は107mvに収束した。
浴槽:温度44.1℃、pH7.5、ORP値は112mvに収束した。
◇電位-pH図
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
還元系にあり、温泉としての鮮度は良好である。
・浴槽AI(△)(エージングの進行度mv)
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×7.5)×1000=487.5
AI(△)=487.5-305≒183
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