◎2008年4月
f01c2609[1]
2008年4月撮
 崖下の湯から約50m下流に「ピラの湯」がある。笹薮の踏み跡を頼りに崖上のルートから「ピラの湯」を攻める。昔は縄があったが今はない。急峻な崖だが慎重に降りれば難なく降りられる。ピラとはアイヌ語で険しい崖を意味するようだ。
cb2db15e-s[1]
 崖を降りた右手の岩盤に温泉分析書の銘板が目に付く。名波茂の申請で衛生研が温泉分析調査の採取に来て昭和32年8月8日に分析終了したのだろう。泉質は弱食塩泉とある。推測だが、申請した関係者が銘板と一緒に観世音菩薩像を設置したのではないだろうか。残念ながら、周囲には観世音菩薩像は見当たらない。

然別峡温泉「ピラの湯・観世音菩薩像銘板」の謎

◎ピラの湯A
383c8932-s[1]89a52887[1]
 左の画像は下流から、右の画像は上流から撮る。岩で縁取りされた湯船は3槽に仕切られ、微妙に青みを含んだ笹濁り色を呈している。緑藻が繁殖しやすい。
0f6060c3-s[1]ea114449[1]
 黒い岩肌と茶褐色のグラデーションが不気味である。湯量の多い湧出孔で泉温58.5℃(計測時以下略)、pH6.6(50℃以下に自然冷却後pH計測)をマーク。湧出量は約30ℓ/分ほど。知覚的には、金気臭、金気炭酸味。
9de388bd-s[1]762c3f51[1]
 3槽の湯船を上流側からA-a、A-b、A-cと呼んでおく。A-aは約2m×1.8m、深さ約30cm。湯船の中ほどで、湯温50.6℃、pH7.0を計測。長靴を履いて計測したが、熱くて入湯するのは困難である。川に湯が流れるように流路を作ってA-bの湯船に流れる量を調整している。
64b23207[1]e5fd1a92-s[1]
 A-bの湯船は約3m×1m、深さ約20cm。湯船の中ほどで、湯温43.0℃、pH6.7を計測。A-bの湯船に入る湯量が少ないせいか難なく入湯できた。底石に緑藻が付着してぬるぬると滑りやすい。緑藻が舞い上がるが身体にこびり付くほどではない。
c573554f-s[1]8c00a8e3[1]
 A-cの湯船は約2m×2m、深さ約20cm。湯船の中ほどで、湯温27.7℃、pH7.0を計測。外気温が上昇すれば、湯温も中温になるだろう。

◎ピラの湯B

06ed90f7[1]
 ピラの湯Aから数メートル上流にピラの湯Bがある。岩盤の周囲を石と土砂で造ったもので、かなりの力作である。約2m×1.5m、深さ約30cm。
08d3a8e8[1]278546e3[1]
 通常は笹濁り色をしているが、湧出孔を計測しているうちに茶褐色に染まってしまった。
b61fef1e[1]f1f6fddf[1]
 崖上約2mの裂け目の湧出孔から46.1℃、pH6.3の源泉が約10ℓ/分ほど注いでいる。知覚的には、金気臭、金気炭酸味。湯船の中ほどで、湯温39.3℃,pH7.1を計測。
f8066a81[1]db159987-s[1]
 炭酸成分を含有したつるすべ感のある浴感で長湯に向く湯である。ユーヤンベツ川より湯船の位置が高いので見晴らしが良い。緑藻が繁殖しやすいが、ザルなどを持参して清掃すれば気持ちよく入湯できる。

◎2023年8月
DSCN0017
2023/8/1撮
 ピラの湯Aの湯船は消失して水没している。源泉は垂れ流し状態。
DSCN0016
2023/8/1撮  
 ピ
ラの湯B湯船は消失している。