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 登別東ICから道道2号経由で約6kmの上登別地区にある新登別温泉郷。温泉分譲地として開発されたエリアには別荘が建ち並び、観光客で賑わう登別温泉とは異なる静かな佇まいを見せる。直線距離で約1.7km離れた奥の湯から登別市が源泉を引き分譲地に配湯している。「旅館山紅葉」は廃業し、「旅館いわた」は長期休業中。湯宿を営業しているのは「旅館四季」と「新登別温泉荘」(夏季限定)のみ。
 上登別地区の分譲開発は、昭和35年(1960)、山形市の鹿野彦吉(政治家・実業家)が雑木林400haを買い取り、翌年、登別観光開発(株)が新登別温泉郷計画に着手。短期間で整地を行い分譲地を造成した。昭和37年(1962)、新登別温泉(株)を設立して、大湯沼からポンプアップして配湯していたが、昭和40年(1965)に倒産。昭和41年(1966)11月から登別町(当時)が配湯の管理にあたる。昭和42年(1967)、町は自然観光開発の計画をたて、中断されていた温泉分譲開発が再開した。温泉分析書が更新された年に取水先が変わっているので、昭和47年(1972)に大湯沼・奥の湯混合、平成6年(1994)に奥の湯単独へと変更になったものと思われる。
 
●参考資料
「登別市史」「市史ふるさと登別資料編」
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 ふさふさした毛並みの犬(ゆうじ君)が玄関で出迎えてくれる。
令和2年12月31日で閉館

◇基本データ
■登別市上登別町42-28、入浴料:大人500円、8時~22時


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 脱衣所前は休憩スペースになっている。

◇温泉分析書(脱衣所前掲示)
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平成6年8月18日に作成した温泉分析書(北海道立衛生研究所)。泉温:80.5℃(平成6年8月9日、気温:31℃)、湧出量:1500ℓ/分(自然湧出)、pH値:4.9、溶存物質:0.472g/kg、成分総計:0.558g/kg、泉質:単純硫黄温泉(硫化水素型) (弱酸性低張性高温泉)(旧泉質名:単純硫化水素泉)

◇温泉成分に影響を与える項目
・源泉温度が高いので加水している。
・冬期間、温度低下時加温あり。

◇内風呂(男湯)
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 こじんまりた浴室に湯船が1槽。シャワー付カラン3台、シャンプー・ボディソープ完備。灰白色を帯びた薄濁りの湯。
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 湯口から53.8℃(8月18日計測時以下略)、pH3.3(サンプル採取後50℃以下でpH計測)の源泉が約20ℓ/分ほど注いでいる。知覚的には、鈍い硫化水素臭、微弱塩味。奥の湯では80℃を越えるが、直線距離で約1.7km離れた分譲地では50数度に低下している。
 湯船の中ほどで、湯温44.4℃、pH3.3を計測。溢れた湯は湯縁からオーバーフローしている。湯張り時に適温にするために加水している。営業中は基本的に加水蛇口を閉めているが、湯客が加水する可能性有り。源泉(加水)かけ流しと追認。さらりとしたつるすべの浴感あり。湯客が加水しなければ、夏季の実勢温度は44℃を越えるだろう。

◇露天風呂(男湯) 
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 岩を配した露天風呂の先は庭園風になっていて見晴らしがいい。かつては半混浴の仕切りだったが、板塀に変わっている。砂粒状の突起物が足裏を刺激してくれる。
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 灰白色の濁り湯で白っぽい湯の華が漂っている。真ん中にある棒は湯抜き栓。湯口は湯底にあるようだが、側壁、岩周辺を這いずり回って探すが発見できず。女湯を探すわけにもいかずやむをえず諦める。
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 湯船の中ほどで、湯温44.2℃、pH3.2を計測。溢れた湯は湯縁からオーバーフローしている。湯張り時に加水しているが、営業中は加水していない。源泉(加水)かけ流しと追認。外気温が低い冬季には、加温の可能性有り。どろどろした感じはなく、さらりとした浴感だ。