50787193.jpg
 創業は大正12(1923)年で、「磐城屋・志賀旅館」として開業。平成12(2000)年頃、初代羅臼旅館組合長を勤めた志賀謙吾氏から「志賀旅館」を「味処いさり火」オーナーの中村氏が引き継いでいる。医者であり作家の志賀貢氏は志賀謙吾氏の長男。「味処いさり火」オーナーの中村氏は予科練上がりで、昭和39年開業の花園荘(その後、花園荘はニュー知床ホテル→第一鉄鉱→らうす第一ホテルに事業継承)で料理長歴任の後に「味処いさり火」を開業。昭和53(1978)年、しおかぜ公園においてオホーツク老人像の除幕式のために森繁久弥が羅臼を訪れた際、朝方まで飲み歩いて宿泊先に戻ってきた森繁久弥を一喝したというエピソードも残っている。髭の親父さんは2年前に引退したそうだ。男風呂にぬる湯(低温湯)を新たに増設。

◇基本データ
■ 羅臼町本町、営業期間:7月~9月、入浴料:500円、日帰り入浴時間:13時~18時、素泊り料金3500円


2022年、「天然温泉宿 素泊まり専用 漁火」に改名。

◇客室

1de2d0e3.jpg
 古びた客室にテレビ、姿見、卓袱台が置かれている。布団はセルフサービス。トイレ・洗面所は共同。薄暗い廊下の突き当たりに湯殿がある。宿泊客は深夜でも入浴可。
d30c436d.jpge34c66f0.jpg
深夜には消灯するが、入浴は可能。ぬる湯、あつ湯の電灯swが別になっているので、手こずる。

◇温泉分析書(脱衣所掲示)
90e6d8f0.jpgf135ca61.jpg
左:2011/10/2撮 右:2009/9/9撮
平成22年10月5日に作成した温泉分析書(北海道薬剤師会公衆衛生検査センター)。泉温:(混合68.2℃(平成22年9月22日、気温:17.6℃)、湧出量:※ℓ/分(蒸気造成泉)、pH値:7.0、溶存物質:1.808g/kg、成分総計:1.854g/kg、泉質:含硫黄-ナトリウム-塩化物泉(低張性中性高温泉)(旧泉質名:含食塩-硫黄泉) 

右の旧・温泉分析書は1号井、3号井、4号井の混合。3号井が泉源内部の亀裂と崩壊により湧出量が激減し、老朽化により湯量温度が低下したことから、平成21年度に新たな施設の温泉ボーリング櫓を設置した。
e2340c39.jpg
 「ホテル峰の湯」「らうす第一ホテル」など温泉施設に、熱水造成施設で、1号井、4号井、5号井(3号井代替井)を混合して配湯。羅臼小学校経由で2次利用管を利用して配湯タンクに引湯した後、「高島屋旅館」「志賀旅館」に配湯している。
 「熊の湯」は4号井、5号井(3号井代替井)の蒸気造成泉を混合して送っている。「山小屋峰」は自家源泉を所有している。

・羅臼温泉供給配管系統図


◇温泉成分に影響を与える項目
・源泉造成施設で、熱水・蒸気に加水している。羅臼小学校経由で2次利用。温度調整の為、湯張り時に加水することがある。

◇内風呂(男湯)
965cb7f8.jpgdf5e48d1.jpg
 1年前に、男湯側(以前は女湯)にぬる湯(低温湯)が完成し、高温湯と低温湯の2槽がある。

・ぬる湯
8836f6d5.jpgbef3c6b3.jpg
 微乳白濁のぬるめの湯。布袋を被せた湯口と加水蛇口併設。注湯量は数ℓ/分。知覚的には、硫化水素臭、塩味。営業中は加水していないが、湯客が加水する可能性あり。源泉(加水)掛け流しと追認。つるすべの浴感で長湯に向いている。
5dd59d16.jpg651ce049.jpga51af56f.jpg
2013/9/6、20時40分~50分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水後、50℃で計測開始)。源泉(加水)かけ流しで、塩素系薬剤未使用。

湯口:温度58.0℃、pH6.8、ORP値は-256mvに収束した。
浴槽:温度39.2℃、pH7.1、ORP値は-277mvに収束した。

・あつ湯
f4aea4f7.jpgd9e47dbd.jpg
  青みを帯びた乳白濁の湯。布袋を被せた湯口に真湯蛇口・加水蛇口併設。注湯量は約5ℓ/分。知覚的にはぬる湯に準ずる。営業中は加水していないが、湯客が加水する可能性あり。注湯量を絞っているせいか、それほど高温ではない。
6ee18a88.jpg0652b298.jpgec610990.jpg
2013/9/6、20時40分~50分頃、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水後、50℃で計測開始)。源泉(加水)かけ流しで、塩素系薬剤未使用。

湯口:温度58.0℃、pH6.8、ORP値は-263mvに収束した。
浴槽:温度42.5℃、pH7.0、ORP値は-245mvに収束した。

◇電位-pH図
01a0ed38.png
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
いずれも還元系にあり、温泉の鮮度は良好である。

・ぬる湯AI(△)(エージングの進行度mv)
 ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×7.0)×1000=511
 AI(△)=511-(-81)=592