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 標茶町市街に入って、釧路川に架かる開運橋を渡り標茶駅方面に向かう。道道13号から右折して信号交差点を富士公園南側に進むと「富士温泉」が見えてくる。
 「富士温泉」は、昭和54(1979)年、深度1200m(ストレーナ深度674m~1200m)掘削して泉温46.4℃、500ℓ/分湧出した(地質研コード223-006)。翌年の8月、公衆浴場を開設し、後に宿泊施設を併設。平成5(1993)年の釧路沖地震で大きな被害に遭い、翌年、鉄筋2階建てに建て替えた。現在、宿泊はやめている。令和3(2021)年9月より定休日が毎週金曜日に変更。

●参考資料
「標茶町史 通史編 第3巻」(平成18年発行)
「北海道地熱・温泉ボーリング井データ集~1990」(北海道立地下資源調査所)

◇基本データ
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■標茶町富士5丁目26、入浴料380円、営業時間:6時30分~8時、11時30分~21時30分、定休日:毎月10日定休 →毎週金曜日

 2024年8月31日で閉館



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 ボックス棚の横に脱衣かごが置かれている。ロッカーはない。

◇温泉分析書(脱衣所掲示)
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左2021/4/19撮 右2014/4/4撮
平成30年11月27日に作成した温泉分析書(日本衛生株式会社)。泉温:47.0℃(気温11℃)、pH:8.9、湧出量:ℓ/分(動力揚湯)、溶存物質:0.881g/kg、成分総計:0.881g/kg、腐植質:6.2mg/kg、泉質:アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性高温泉)(旧泉質名:単純温泉)

◇温泉成分に影響を与える項目
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・適温にするため加水している。

◇内風呂(男湯)
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 タイル張りの浴室に、円形の浴槽、長方形の浴槽を配置。シャワー付カラン10台、カランのみ4台。カランにも温泉使用。

・円形風呂(中温湯)
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  円形浴槽の周囲には岩が積まれている。湯はコーヒー色を帯びたモール系温泉で、湯底は不透明で確認できない。湯面は気泡で覆われている。湯口は2箇所有り、左側の湯口❶から源泉が約20ℓ/分注湯している。右側の湯口❷は、湯口の奥に加水管を併設し、地下水で加水した源泉が約30ℓ/分注湯している。知覚的には、たまご臭の混ざったモール臭、微弱たまご塩味。溢れた湯は湯縁からオーバーフローしている。モール系特有のぬるつるした温泉で、肌の泡付きも確認できる。
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2021/4/19、14時~14時15分、大浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水)。源泉(加水)掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口❶:温度46.8℃、pH8.68、ORP値は-291mvに収束した。
湯口❷:温度43.2℃、pH8.61、ORP値は-264mvに収束した。
浴槽:温度42.2℃、pH8.70、ORP値は-246mvに収束した。

・矩形風呂(高温湯)
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 矩形の小浴槽は高温湯。湯面にも気泡が浮いている。湯口から約20ℓ/分注湯。知覚的には、大浴槽に準ずる。溢れた湯は湯縁からオーバーフローしている。番台の小母さんに訊ねたところ、矩形の小浴槽も加水しているというが、湯口温度は泉温と変わらないので、湯張り時に加水し、営業中は加水なしで利用していると思われる。かなり熱いが体の芯から温まる。掘削当時と泉温は変わっていないのは特筆ものだ。
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2021/4/19、14時~14時15分、大浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水)。源泉掛け流し(湯張り時加水)で、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度47.1℃、pH8.70、ORP値は-284mvに収束した。
浴槽:温度45.3℃、pH8.79、ORP値は-149mvに収束した。

・遊離残留塩素測定
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2021/4/19、14時15分頃、円形風呂で試料をミニボトルで採取し、遊離残留塩素測定器で遊離残留塩素濃度を測定。
測定値は0.00ppmとなり、遊離残留塩素の未検出を確認した。

◇電位-pH図

キャプチャ
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
いずれも還元系にあり、温泉の鮮度は良好である。

・円形風呂AI(△)(エージングの進行度mv)
 ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×8.7)×1000=431.1
 AI(△)=431.1-(-66)≒497