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 然別峡温泉「鹿の湯&夫婦の湯」に立寄る。野営場及び管理棟は7月1日から9月30日まで営業している。

◇温泉分析書(管理棟掲示)
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 露天風呂のみの利用なら管理棟に立ち寄ることもないが、ひょっとして温泉分析書が貼ってあるかもしれないと思って中に入ってみると、念願の温泉分析書が壁に貼られていた。

 平成22年6月21日に作成した温泉分析書(太平洋総合コンサルタント株式会社)。泉温:51.1℃(気温:16℃)、湧出量:-ℓ/分(※自噴)、pH値:6.8、溶存物質:4.092g/kg、成分総計:4.391g/kg、泉質:ナトリウム-炭酸水素・塩化物泉(中性低張性高温泉)(旧泉質:含食塩-重曹泉)
 ※自噴とあるが、ボーリングによる自噴でないので自然湧出が一般的。
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 野営橋の銘板にはシイシカリベツ川とある。シイシカリベツ川上流はユーヤンベツ川となっていたが(国土地理院昭和55年4月30日発行)、現在の国土地理院地図ではユーヤンベツ川の名称は消えて、源流までシイシカリベツ川に変わっている。
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 「北海道の地熱・温泉 (c)北海道中央部」(北海道立地下資源調査所)より
 菅野温泉の裏手から流れる八の沢との合流点(野営場管理棟から約250m下流)から上流をユーヤンベツ川と呼んでいた。
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 野営場の中を通っていく。
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 露天風呂あと100mの看板から階段状の下り坂になる。
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 シイシカリベツ川沿いに露天風呂と脱衣所が見える。『鹿追町70年史』によると、然別峡に露天風呂が開設されたのは昭和61年10月で、「町では、工費300万円を投じ、土木現業所の協力を得て湯船約9平方メートル、深さ70センチを岩の間から自然湧出の温泉を利用して造成したもので、入浴は自由で無料となっている」とある。『鹿見の湯』又は『鹿の湯』とも呼ばれている。昭和62年発行の『北海道の露天風呂』(北海道新聞社、松田忠徳著)に『鹿の湯』が登場しているが、その中に『鹿の湯』が出来る数年前に菅野温泉の湯主が岩盤を掘って『夫婦の湯』を造ったという記述がある。
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 崖下に「夫婦の湯」、川沿いに「鹿の湯」がある。ユーヤンベツ川沿いの野湯群の温泉名を「然別峡かんの温泉」と紹介するブログが散見されるが、「然別峡温泉」の呼称が一般的。「然別峡かんの温泉」に該当する施設は「(然別峡)かんの温泉」(旧・管野温泉旅館)を指す。

・夫婦の湯a
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 洞窟のような源泉洞で2人が立ち浴で入れるスペースで深さは約1mほど。右側の足載せ岩は滑りやすいので要注意。頭上には落石防止用の金網を被せてあるが、湯底に尖石が落ちている。
 源泉洞奥に湧出孔が数箇所あり、1地点で計測すると地泉温49.5℃、pH6.6。知覚的には、弱金気臭、金気・弱炭酸味。湧出量は全体で20ℓ/分ほどだろうか。一部は導管を通って鹿見の湯に注ぎ、他は湯縁からオーバーフローしている。つるすべした肌触りが心地よい。
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2014/8/28、17時02分頃、浴槽内でORP計測。
浴槽:45.5℃、pH6.9、ORP値は-36mvに収束した。

・夫婦の湯b
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 夫婦の湯aより上流側にある。笹色を帯びた半透明の湯。激熱なので加水しないで入湯するのは困難。
温泉分析書の泉温は夫婦の湯bの湧出孔で測定したと思われる。注湯量は約10ℓ/分。知覚的には、金気臭、金気・弱炭酸味。溢れた湯は導管を通って鹿見の湯に注いでいる。 
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2014/8/28、16時53分頃、浴槽内でORP計測。
湯口50.6℃、pH6.9
浴槽49.0℃、pH7.0、ORP値は-102mvに収束した。

・鹿の湯
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 営場営業期間は管理人が定期的に清掃してくれる。
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 夫婦の湯a、夫婦の湯bから湯が入り込む。丁度良い湯加減で快適。
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2014/8/28、17時05分頃、浴槽内でORP計測。
浴槽:湯温42.3℃、pH7.2、ORP値は38mvに収束した

◇電位-pH図
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算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
いずれも温泉としての鮮度は良好である。

 ・鹿の湯AI(△)(エージングの進行度mv)
 ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×7.2)×1000=501.6
 AI(△)=501.6-232≒270