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 十勝岳温泉から白銀温泉に向かう途中の吹上温泉登山口広場にある。前身は昭和8(1933)年に竣工した「ヒュッテ白銀荘」。昭和53(1978)年に改築されたが、平成8(1996)年に老朽化で役目を終えた。翌年の平成9(1997)年、日帰り入浴&自炊宿泊施設の「保養センター白銀荘」がオープンした。指定管理者の(株)南富良野町振興公社が運営している。

・参考資料
「上富良野百年史」
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 入口前に飾られた白銀の鐘。

◇基本データ
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■上富良野町十勝岳、入浴料:大人700円、入浴時間:10時~22時(最終入館)

■公式HP


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 浴場は地階にある。
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 脱衣所に貴重品ロッカー(100円返却式)。混浴露天風呂は脱衣所から入れるが水着が必要。受付でレンタル水着あり。

◇温泉分析書(脱衣所掲示)
◎泉源1(ベンガラ泉源)
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左2020/10/3撮 中2014/9/24撮 右2006年2月撮
令和元年8月23日に作成した温泉分析書(第一岸本臨床検査センター苫小牧本社)。泉温:45.9℃(気温:26℃)、湧出量:※(自然湧出)、pH値:3.1、溶存物質:1.419/kg、成分総計:1.420g/kg、泉質:カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉(低張性弱酸性高温泉)(旧泉質名:含食塩・石膏泉)

◎泉源2(白銀荘泉源)
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左2020/10/3撮  中2014/9/24撮 右2006年2月撮
平成元年8月23日に作成した温泉分析書(第一岸本臨床検査センター苫小牧本社)。泉温:51.0℃(気温:23℃)、湧出量:※(自然湧出)、pH値:3.0、溶存物質:1.517g/kg、成分総計:1.603g/kg、泉質:酸性-カルシウム・ナトリウム-硫酸塩・塩化物泉(低張性弱酸性高温泉)(旧泉質名:含石膏-食塩酸性泉)
 秋・冬は湧出量減少で泉源1と泉源2を併用して利用。春夏は主に泉源1を利用らしい。 
 泉源1は30.7℃(昭和52年)→42.9℃(平成8年)→48.4℃(平成21年)、泉源2は31.1℃(昭和52年)→48.6℃→52.6℃(平成21年)に上昇している。
・参考資料「上富良野百年史」

◇温泉成分に影響を与える項目
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◇内風呂(男湯)
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2014/9/24撮
 石張りの浴室に、ヒバの湯、岩風呂、サウナ、水風呂、寝湯、打たせ湯、飲泉所、シャワー付カラン10台配置。シャンプー・ボディソープ・石鹸あり。

・ヒバの湯
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2014/9/24撮
 ヒバの香りのする無色透明の湯。入湯時期は主に泉源2使用。注湯量は約30ℓ/分。知覚的には、弱酸味、微弱金気臭。溢れた湯は内側側溝にオーバーフローしている。弱めのきしきし感あり。
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2020/10/3、13時20分~40分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水)。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度47.3℃、pH2.83、ORP値は485mvに収束した。
浴槽:温度43.4℃、pH2.83、ORP値は508mvに収束した。

・岩風呂
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2014/9/24撮
 湯縁と浴槽中央に岩を置いた岩風呂。湯底のバイブラマットから泡湯が湧いている。入湯時期は主に泉源2使用。注湯量は約30ℓ/分。知覚的にはヒバの湯に準ずる。溢れた湯は内側側溝にオーバーフローしている。
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2020/10/3、13時20分~40分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採取)。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度47.2℃、pH2.79、ORP値は474mvに収束した。
浴槽:温度41.6℃、pH2.77、ORP値は508mvに収束した。

・寝湯
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2014/9/24撮
 渦流湯付の寝湯(2台)。入湯時期は泉源1使用。溢れた湯は湯縁からオーバーフローしている。
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2020/10/3、13時20分~40分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水)。源泉掛け流し(但し噴流湯は構造的循環)で、塩素系薬剤未使用。
浴槽:温度38.6℃、pH2.76、ORP値は505mvに収束した。

・打たせ湯
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2014/9/24撮
 打たせ湯2条。入湯時期は泉源1使用。
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2020/10/3、13時20分~40分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水)。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
打たせ湯:温度40.3℃、pH2.84、ORP値は485mvに収束した。

・遊離残留塩素測定
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13時50分頃、浴槽で試料をミニボトルで採取し、遊離残留塩素測定器で遊離残留塩素濃度を測定。
測定値は0.00ppmとなり、遊離残留塩素の未検出を確認した。

◇電位-pH図

キャプチャ
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
いずれも還元系にあるが平衡系に接近している。ORPでは温泉の鮮度は老化していると考えられる。

・ヒバの湯AI(△)(エージングの進行度mv)
 ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×2.8)×1000=708.4
 AI(△)=708.4-701≒7


◇露天風呂(男湯)

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 手前から、ぽかぽかの湯、活力の湯、くつろぎの湯、のんびりの湯と続く。東屋を配している。

・ぽかぽかの湯
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  岩で囲まれた無色透明の湯。金気成分の影響で湯に浸かった岩は茶褐色に変色している。入湯時期は泉源2使用。注湯量は約50ℓ/分。知覚的には、弱酸味、微弱金気臭。溢れた湯は湯縁湯口より排湯している。熱めの湯で、弱めながらキシキシ感も体感できる。

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2020/10/3、12時50分~13時20分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水)。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度48.0℃、pH2.86、ORP値は447mvに収束した。
浴槽:温度45.8℃、pH2.87、ORP値は454mvに収束した。

・活力の湯
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 岩で囲まれた無色透明の湯。入湯時期は主に泉源1使用。注湯量は約20ℓ/分。知覚的には、ぽかぽかの湯に準ずる。溢れた湯は湯縁湯口より排湯している。ぽかぽかの湯よりはいくらか湯温が低い。

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2020/10/3、12時50分~13時20分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水)。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度44.6℃、pH2.85、ORP値は470mvに収束した。
浴槽:温度44.1℃、pH2.87、ORP値は459mvに収束した。

・東屋
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2014/9/24撮
 東屋付近のくつろぎの湯より山並みを展望する。

・のんびりの湯
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 岩で囲まれた無色透明の湯。入湯時期は主に泉源2使用。注湯量は約30ℓ/分。知覚的には、ぽかぽかの湯に準ずる。溢れた湯はくつろぎの湯に流れていく。丁度よい湯加減である。
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2020/10/3、12時50分~13時20分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水)。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度47.3℃、pH2.82、ORP値は460mvに収束した。
浴槽:温度40.3℃、pH2.83、ORP値は464mvに収束した。

・くつろぎの湯
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 岩で囲まれた無色透明の湯。のんびりの湯と湯繋がりになっている。溢れた湯は湯縁排湯口より排湯している。丁度よい湯加減で、くつろぎ易い。
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2020/10/3、12時50分~13時20分、浴槽内でORP計測。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
浴槽:温度39.8℃、pH2.81、ORP値は470mvに収束した。

◇電位-pH図
キャプチャ
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
いずれも還元系にあるが平衡系に接近している。ORPでは温泉の鮮度は老化していると考えられる。

・ぽかぽかの湯AI(△)(エージングの進行度mv)
 ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×2.9)×1000=703.7
 AI(△)=703.7-645≒59