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 川湯温泉駅前通りから国道391号を渡ってすぐのところにある。ペンション風の外観を呈しているが館内は機能的なビジネス旅館である。敷地内には名物の摩周鯛(テラピア)の養殖場を設けている。
 昭和47(1972)年5月に「ドライブイン川湯(民宿)」を開業。平成6(1994)年5月、「ホテルパークウェイ」に名称を変えリニューアルオープンした。平成8(1996)年に有限会社から㈱川湯産業開発に組織変更。令和元(2019)年7月より株式会社ホテルパークウェイが運営している。㈱川湯産業開発は令和元(2019)年10月に破産手続開始決定した。
  昭和47(1972)年掘削の及川1号井、昭和57(1982)年掘削の及川2号井の泉源を有し、テラピア養殖、ホテルパークウェイ、つつじの湯、一般家庭、足湯(JR川湯駅)に配湯している。

●参考資料
「北海道における地熱・温泉利用の現状 1998」(北海道立地下資源調査所)
「北海道市町村の地熱・温泉ボーリングデータ集~1990」(北海道立地下資源調査所)
「北海道における地熱・温泉利用の現状 2007(DVD)」(北海道立地質研究所)

◇基本データ
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■弟子屈町川湯駅前3丁目2-10、入浴料:大人500円、日帰り営業時間:11時~20時

■公式HP


◇宿泊
じゃらんプラン名<家族旅行応援>ここだけ!自家養殖の摩周鯛&100%源泉かけ流し温泉和室6畳~8畳【トイレ無】。7,150円(税込、サービス料込)-2,502(Go To トラベル給付金、地域共通クーポン1,000円)+150円(入湯税)、チェックイン可能時間15時~18時、チェックアウト10時
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 案内されたのは1階6畳和室。布団は既に敷いてある。
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 フリーWi-Fi接続可、浴場はチェックイン~チェックアウトまで利用可。
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 トイレ・洗面所は男女別

◇食事
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 食事はレストラン麓亭でとる。夕食18時~20時、朝食7時~8時30分。夕食は希望時間指定。

・夕食

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 摩周鯛中心の和食御膳。摩周鯛(テラピア)の刺身、煮物、酢の物、きんぴら、漬物、ご飯はお櫃
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 天ぷら、摩周鯛の唐揚げ
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 ラムしゃぶ
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 セルフサービスのコーヒー

・朝食
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 朝食は和食膳
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 セルフサービスのコーヒー

◇温泉分析書(脱衣所掲示)
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 平成21年1月20日に作成した温泉分析書(太平洋総合コンサルタント㈱)。泉温:63.2℃(気温:6℃)、湧出量:※ℓ/分(動力揚湯)、pH値:7.1、溶存物質:1.727g/kg、成分総計:1.916g/kg、泉質:ナトリウム-炭酸水素塩泉(中性低張性高温泉)(旧泉質名:重曹泉)
 分析機関(太平洋総合コンサルタント㈱)が温泉分析書の源泉名を及川1号井としたのか不明だが、北海道立地質研究所資料では及川2号井(地質研コード160-024)を浴用利用としている。及川1号井(地質研コード160-023)は、1982年の調査では、泉温39.1℃、pH8.6。及川2号井は1982年の調査では、泉温57.8℃、pH7.1なので、上記の温泉分析書は及川2号井を分析した可能性が高い。

◇温泉成分に影響を与える項目
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・ORP分析では4項目該当なし。源泉100%かけ流し。道立衛生研究所では及川2号井。

◇内風呂(男湯)
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 脱衣所に有料コインロッカー(100円)あり。
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2011/9/30撮
 シンプルな浴室に湯船が1槽。洗い場と浴槽は鉄平石を使用している。シャワー付カラン6台、シャンプー・ボディソープあり。宿泊時、浴槽は湯気で曇っていたので、2011/9/30撮の画像使用。
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2016/10/8撮
 湯船は床石に付着した析出物の影響で茶褐色に見える。微黄を帯びた透明の湯。注湯量は約50ℓ/分。露天風呂より湯口温度が低いのは暖房配管経由で引いているそうだ。知覚的には、微弱塩味、微弱金気炭酸臭。やや熱めでぬるりとした浴感あり。2016/10/8撮の画像使用。 
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2020/12/13、15時30分~50分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで受け流し)。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。 
湯口:温度45.3℃、pH7.27、ORP値は-34mvに収束した。
浴槽:温度43.3℃、pH7.38、ORP値は54mvに収束した。

◇露天風呂(男湯)
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 サンダルを履いて露天風呂に向かう。
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 塀際に木立を配した約2m四方の露天風呂がある。微黄を帯びたほとんど透明の湯。竹筒の湯口管から約20ℓ/分ほど注いでいる。知覚的には内風呂に準ずる。やや熱めの湯だが、滑らかな肌触りでつるすべの浴感あり。
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2020/12/13、15時30分~50分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水し、50℃で測定開始)。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度58.5℃、pH7.05、ORP値は-59mvに収束した。
浴槽:温度43.1℃、pH7.21、ORP値は42mvに収束した。

◇混浴露天風呂(枯山水)
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 混浴露天風呂は廊下の突き当りの裏戸口から出入りする。サンダルに履き替えて通路を歩いていくと木立が茂る庭園風の枯山水の門に通じる。
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 女湯は右側、男湯は左側。
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 枯山水の敷石を右手に行くと女脱衣所があり、左手に行くと男脱衣所がある。
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 長方形の湯船の真ん中に仕切りの巨岩を配している。微黄を帯びた透明の湯。利用時間は20時まで。約20ℓ/分(反対側も同量)ほど注いでいる。知覚的には、微弱塩味、微弱金気炭酸臭。溢れた湯は湯縁からオーバーフローしている。滑らかな肌触りでつるすべ感あり。
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 2016年10月8日撮の混浴露天風呂
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2020/12/13、15時10分~20分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水し、50℃で測定開始)。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。 
湯口:温度58.6℃、pH7.66、ORP値は25mvに収束した。
浴槽:温度43.1℃、pH8.43、ORP値は65mvに収束した。

・遊離残留塩素測定
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16時頃、浴槽で試料をミニボトルで採取し、遊離残留塩素測定器で遊離残留塩素濃度を測定。
測定値は0.00ppmとなり、遊離残留塩素の未検出を確認した。

◇電位-pH図

キャプチャ
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
いずれも還元系に属し、温泉の鮮度は良好である。
・内風呂AI(△)(エージングの進行度mv)
 ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×7.4)×1000=492.2
 AI(△)=492.2-247≒245