

帯広川にほど近い9階建てのボストンビルは1階が大浴場、2階はレストラン・宴会場、3階はビジネスホテル、4階~9階は賃貸マンションになっている。賃貸マンションは、創業当時は水商売関係者が多く入居していたようだが、現在は数世帯しか入居していないので、一部の賃貸マンションを宿泊用に開放している。ビジネスホテル、マンションにも温泉が行き渡っている。
昭和51(1976)年8月、「ホテル大奥」が温泉(大奥1号井、ヒルトン1号井)を掘り当て沸かして利用していた。その後、温泉付マンションを計画。昭和57(1982)年9月、再掘削して湧出した源泉(ヒルトン2号井)は47度の泉温。昭和58(1983)年、9階建ての帯広観光ヒルトンビルが完成し、同年12月4日に「帯広ホテルヒルトン」がオープンした。当時の関係者に話を伺うと、ヤクルト、阪神でプレーしたデーブ・ヒルトンのファンということで命名したという。平成に入ってから、世界的に有名なヒルトンホテルの弁護士から名称についてクレームが来たそうだ。看板、登記を含めて平成元(1990)年6月に「温泉ホテル ボストン」に改称している。ちょうどその頃、北海道とマサチューセッツ州姉妹提携が話題になっていた時期で、安易に州都のボストンが浮かんだらしい。平成19(2007)年1月、㈱道東温泉ホテル光栄館に経営が変わっている。
●参考資料
十勝毎日新聞記事(昭和58年3月9日)
「北海道地熱・温泉ボーリング井データ集1990」(北海道立地下資源調査所)
「十勝平野中央部地域地質図及び説明書」(監修北海道立地質研究所、発行十勝支庁農業振興部)

裏口のドア付近に湯源地蔵が鎮座している。
◇基本データ

■帯広市西1条南3丁目15、入浴料:大人450円、日帰り営業時間:7時~23時(最終受付22時)、月曜は12時~23時
2024/12/26現在


表玄関から入館するとフロントがある。

宿泊者はコーヒー、ウェルネス水が無料で飲める。
■公式HP
◇宿泊(2021年10月)
じゃらんネットプラン「【朝食付】嬉しい日替わり朝ごはん付き!“モール泉”のかけ流しで疲れを癒やそう♪施設の古さはご愛敬;シングルルームで予約。4,900円前払い(税込・サービス料込)、チェックイン可能時間15時~24時、チェックアウト10時。
◇宿泊(2023年3月)
1泊シングルルーム朝食付きで来館予約。4,700円前払い(税込・サービス料込)。チェックイン可能時間15時~24時、チェックアウト10時。
◇宿泊(2024年12月)
1泊シングルルーム朝食付きで来館予約。5,300円前払い(税込・サービス料込)。チェックイン可能時間15時~24時、チェックアウト10時。

エレベーターで3階へ。天井一部欠損あり。昭和58年築なので廊下は老朽化が目立つ。


宿泊部屋は3階のシングルルーム。エアコン付き。ポットは受付で借りる。


無料Wi-Fi接続可。歯ブラシ・カミソリあり。

大浴場にシャンプー類を持っていく。大浴場の利用は15時~23時、5時~9時。

2021/10/1撮
客室にも温泉付きのバスがある。バスは一人用で狭い。全館に温泉の配管を巡らしているせいか最初は冷たい湯が注ぐ。湯張りの状態で30度前後~35度前後。大浴場のような熱さと泡付きは期待できないが、夏季にはいいかも。



2021/10/1、16時30分~40分、浴槽内でORP計測(湯蛇口はミニボトルで採水)。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:30℃~38℃、pH8.52、ORP値は-53mvに収束した。
浴槽:33.6℃、pH8.50、ORP値は―27mvに収束した。
◇食事

食事は2階のレストラン「ユック」でとる。ドアにはHILLTONの痕跡が残っている。


昭和レトロな店内。朝食は7時~8時30分、夕食は17時~20時30分。社長が一人で調理とホールを担当している。都合で提供できない場合も有る。
◎夕食


メニュー表は2024/12/25現在置いていない。じゃらんネットでは夕食は豚丼のみ。基本的に夕食は予約者のみ。
・2021年10月

ボストン弁当(1,240円)を注文。豚肉の照り焼き、ニシンの煮付け、湯葉の煮物、刺身、ポークのデミグラスソース煮、和え物、ご飯、つみれ汁、漬物。
◎朝食

チェックイン時に貰った朝食券を渡す。

ホットコーヒー、牛乳、水はセルフサービス。
・2021年10月

朝食付きプランの日替わり和定食。塩鮭、卵焼き、とろろ、ナスの煮浸し、揚げ出し豆腐、煮物、和え物、納豆、生卵、ご飯、味噌汁、漬物。お櫃のご飯は全部食べきれない。
・2023年3月

朝食付きプランの日替わり和定食。塩鮭、卵焼き、とろろ、肉じゃが、ほうれん草のお浸し、モズク酢、あんかけ豆腐、ごぼうサラダ、煮物、納豆、生卵、ご飯、味噌汁、漬物。お櫃のご飯は全部食べきれない。

コーヒーと牛乳
・2024年12月

通常よりも宿泊客が多いせいかバイキングで提供していた。


サラダ・卵焼き、焼魚・筑前煮・きんぴら


ウインナー・スクランブルエッグ・野菜炒め、ご飯のお供

盛り付けの一例。ご飯と味噌汁以外はセルフサービス。
■大浴場


大浴場の付近に時代を感じさせる休み処。洗濯機と乾燥機がある。


薄暗い脱衣所にロッカーはあるが鍵はついていない。受付付近に貴重品ロッカー(100円返却式)あり。宿泊客の利用は15時~23時、5時~9時。
◇昔掲示していた謎の温泉分析書

2011/2/25撮
2016年2月現在、撤去している。 温泉分析書となっているが温泉分析書別表のようなもの。
※注
温泉法ではモール泉という泉質はないので、本来の泉質はアルカリ性単純温泉だろう。十勝川温泉で植物性モール泉という呼び方が流布していたのに便乗してホテル関係者が改ざんしたと思われる。分析機関の北海道衛生研究所がモール泉と記入するとは到底思えない。折角の源泉掛け流しの温泉なのに、子供だましのような掲示では実にもったいない。
資料によると、1976年8月、ホテル大奥1号井(ヒルトン1号井、935m)完工、36℃、800ℓ/分と出ている。ホテル大奥1号井は数年後に廃井となり、1983年9月、ヒルトン2号井が完工している。昭和58年5月の衛生研による2号井調査では、深度1,230m、760ℓ/分自噴、泉温46.0、pH8.7、TSM(溶存成分)367mg、Ca=1.4、Na=128.8、K=2.1、Cl=62.9、HCO3=241.6、SO4=1.4、HBO2=9.7、SiO2=47.7、フリーCO2=11.8となっている。
◇温泉分析書(脱衣所掲示)


左2016/4/21撮 右2018/4/15撮(温泉分析書は撤去)
平成19年2月26日に作成した温泉分析書(太平洋総合コンサルタント株式会社)。泉温:43.5℃(気温:0℃)、湧出量: ℓ/分(動力揚湯)、pH値:8.8、溶存物質:0.489g/kg、成分総計:0.489g/kg、泉質:アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性高温泉)(旧泉質名:単純温泉)
温泉名を分析機関が帯広温泉としているが、温泉名としては一般的ではない。帯広では帯広温泉というと昔から「帯広温泉ホテル」のイメージが強く、その後に出来た温泉施設は当然ながら避ける傾向にある。最近では温泉総選挙で帯広温泉郷を周知している。
・温泉成分に影響を与える項目

2021/2/10撮
・4項目該当なし。源泉100%かけ流し。
◇内風呂(男湯)


2021/10/1撮
溢れた湯で床タイルが滑りやすく危険なので滑り止めマットが敷かれるようになった。男女仕切りに巨岩を積んでいる。シャワー付きカラン10台。シャンプー類は持参のこと。


2021/10/1撮
雲形の大浴槽は浅湯と深湯に分かれている。浅湯側には、バイブラ設備があるものの長いあいだ稼動していない。
コーラ色半透明の湯。真ん中に岩を配置し、注湯量は約50ℓ/分。知覚的には、たまご臭味でモール臭は微弱。腐植質系の湯の華も確認できる。溢れた湯は湯縁からオーバーフローしている。

数十秒で体毛が真っ白い気泡に覆われる。手で触れるとぬるぬるしてまるで水掻きができたような錯覚すら覚える。

湯温が高いので長湯は出来ないが、モール系のぬるぬるした浴感は帯広でもトップクラス。



2021/10/1、15時30分~40分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水)。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度45.3℃、pH8.83、ORP値は-465mvに収束した。
浴槽:温度43.8℃、pH8.84、ORP値は-110mvに収束した。



2023/3/26、5時50分~6時、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水)。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度45.3℃、pH8.75、ORP値は-498mvに収束した。
浴槽:温度43.8℃、pH8.80、ORP値は-216mvに収束した。



2024/12/26、6時30分~40分、浴槽内でORP計測(湯口はミニボトルで採水)。源泉100%掛け流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度45.3℃、pH8.72、ORP値は-245mvに収束した。
浴槽:温度43.4℃、pH8.74、ORP値は-142mvに収束した。
◇遊離残留塩素策定

2024/12/25、22時10分頃、大浴槽で試料をミニボトルで採取し、遊離残留塩素測定器で遊離残留塩素濃度を測定。
測定値は0.00ppmとなり、遊離残留塩素の未検出を確認した。
◇電位-pH図(2021/10/1)

算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
いずれも還元系にあり、温泉の鮮度は良好である。
・大浴槽AI(△)(エージングの進行度mv)
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×8.8)×1000=426.4
AI(△)=426.4-83≒343
◇電位-pH図(2023/3/26)

算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
還元系にあり、温泉の鮮度は良好である。 いずれも還元系にあり、温泉の鮮度は良好である。
・大浴槽AI(△)(エージングの進行度mv)
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×8.8)×1000=426.4
AI(△)=426.4-83≒343
◇電位-pH図(2023/3/26)

算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
・大浴槽AI(△)(エージングの進行度mv)
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×8.8)×1000=426.4
AI(△)=426.4-(-23)≒449
◇電位-pH図(2024/12/26)

算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
還元系にあり、温泉の鮮度は良好である。
・大浴槽AI(△)(エージングの進行度mv)
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×8.7)×1000=431.1
AI(△)=431.1-51≒380
コメント
コメント一覧 (4)
「すごくいいお湯だったよ!」と言って行かれたそうです。
宿泊は和室の角部屋に泊まったらベランダから、日高山脈、帯広川、十勝大橋、札内方面まで見渡せて 駅前のホテルでは決して味わえない景色です。
秘湯好き好きダベ
が
しました
秘湯好き好きダベ
が
しました
建物は古いが温泉は本物です。
また食事も美味しく合わせてもリーズナブルです。
私は好きです。
秘湯好き好きダベ
が
しました
とても地味ですが温泉良いです。
二食付き食事は美味しくて、ご飯おかわりレベル。
安心して泊まれる良心的なホテルでした。
秘湯好き好きダベ
が
しました