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2018/4/27撮
 国道38号を札内方面に東進すると左カーブの辺りで「オベリベリ温泉水光園」の看板が見える。駐車場の先には同族経営の「そば処 匠」も営業している。駐車場から池に架かった橋を渡って中に進んで行く。昔は池にはボートが浮かんでいた。
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2024/2/27撮
 水光園敷地内に今まであった温泉施設が老朽化してリニューアルオープンしたのは、平成18(2006)年12月12日。リニューアルして「オベリベリ温泉」と冠するようになった。
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 白浜忠吉の描いた明治26~27年ごろのオベリベリ部落の記憶図 「古村 下帯広・上帯広・荊苞・鵺拔・迫別等各村の関する研究」(千葉小太郎著)より松浦武四郎の蝦夷地探査した日誌では、アイヌコタンを「ヲベレベレフ 」と記しているが、依田勉三が率いる晩成社が入地した明治15(1982)年頃には和人の間で「オベリベリ」と呼ばれていた。「開拓史事業報告第編」(明治18年)によると、明治6(1873)年12月調査による五十か村の村名に下帯広が登場してくる。当時、行政区名の下帯広と部落名の「オベリベリ」の範囲は、ほとんど同じだったようだ。水光園の敷地は、依田勉三が開拓した帯広農場があったエリアの東端にある。大正5(1916)年に帯広農場は売却された。大正11(1922)年、広島出身の江川定吉が現在地を買取り、大正13(1924)年頃、園地を「水光園」と名付けボート営業を始めた。

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2006年6月撮
 昭和46(1971)年、378m温泉ボーリングする(泉温17度)。昭和47(1972)年、通称・ジャングル温泉を中核に「レジャーセンターファミリーランド水光園」がオープン。昭和53(1978)年、1193m温泉ボーリングして、高温の温泉が利用できるようになった。

・参考資料
「北海道地熱・温泉ボーリング井データ集1990」(北海道立地下資源調査所)
「十勝平野中央部地域地質図及び説明書」(監修北海道立地質研究所、発行十勝支庁農業振興部)


◇基本データ
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■帯広市東10条南5丁目6、入浴料:大人490円、11時~23時(最終受付22時30分)、年中無休(元旦のみ休)
2024/2/27現在


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2021/1/27撮
 売店、畳敷きの休憩所、ゲームコーナー、マッサージサロンがある。Wi-Fiが無料で利用できる。
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2021/1/27撮
 脱衣所にコインロッカー(100円返却式)有。ドライヤーは無料。

◇温泉分析書(脱衣書掲示)
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左:2018/6/12撮 右:2018/4/12撮
平成28年12月26日に作成した温泉分析書(北海道薬剤師会公衆衛生検査センター)。泉温:44.4℃(気温:-1℃)、湧出量:測定不能ℓ/分(動力揚湯)、pH値:8.8、溶存物質:0.436g/kg、成分総計:0.437g/kg、泉質:アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性高温泉)(旧泉質名:単純泉)

◇温泉成分に影響を与える項目その他
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2018/4/12撮
・主浴槽・露天石風呂は源泉掛け流し。
・ジェット風呂、電気風呂、露天御影石風呂は資源確保の為、濾過掛け流し。
・衛生管理の為、塩素系薬剤を使用し消毒処理をしている。
・加温も加水もしていない。
・全ての浴槽は毎日清掃し、お湯を取り替えている。

◇内風呂(男湯)
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2022/2/21、22:50 
 タイル張りの広い浴室には、高温風呂、電気風呂、ジェットバス(階段状、深さ120cm)、水風呂(階段状、深さ120cm)、漢方蒸し風呂、遠赤サウナを配置。シャワー付カラン38台、立ちシャワー2台、シャンプー・ボディソープあり。
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2022/2/20、11:20撮 手前から 電気風呂、高温風呂、ジェットバス、水風呂

・電気風呂
 
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2022/2/21、22:50
 ウーロン茶色透明の湯。電極板を4台設置している。注湯量は約15ℓ/分。知覚的には、微弱モール臭、微弱塩味。浴槽内で微かにカルキ臭がする。湯底に目皿付きの湯孔大小各々1個所、側壁に湯孔小1個所。湯底の湯孔小に吸込を確認。溢れた湯は排湯口から排湯している。源泉かけ流し&循環濾過併用方式(塩素系薬剤使用)と査定。電気風呂は加水せずに適温にする為、循環方式を採用していると考えられる。
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2022/2/21(大雪)、22時30分~50分、浴槽内で計測(湯口はミニボトルで採取)。源泉かけ流し&循環濾過併用方式、塩素系薬剤使用。
湯口:温度40.2℃、pH8.34、ORP値は78mvに収束した。
浴槽:温度39.4℃、pH8.24、ORP値は76mvに収束した。
塩素系薬剤が一定間隔で薬注しているので振れ幅が大きい。
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2024/2/26(大雪)、22時30分~50分、浴槽内で計測(湯口はミニボトルで採取)。源泉かけ流し&循環濾過併用方式、塩素系薬剤使用。
湯口:温度40.8℃、pH8.44、ORP値は126mvに収束した。
浴槽:温度39.7℃、pH8.37、ORP値は102mvに収束した。
塩素系薬剤が一定間隔で薬注しているので振れ幅が大きい。

・高温風呂
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2022/2/21、22:50
 ウーロン茶色透明の湯。注湯量は約20ℓ/分。モール臭、微弱塩味。モール臭は明瞭である。溢れた湯は排湯口から排湯している。湯底に湯温調整の吐出口1個所あり。塩素系薬剤は使用していない。
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2022/2/21(大雪)、22時30分~50分、浴槽内で計測(湯口はミニボトルで採取)。源泉100%かけ流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度44.5℃、pH8.67、ORP値は-486mvに収束した。
浴槽:温度43.2℃、pH8.67、ORP値は-181mvに収束した。'
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2024/2/26(大雪)、22時30分~50分、浴槽内で計測(湯口はミニボトルで採取)。源泉かけ流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度44.7℃、pH8.71、ORP値は-259mvに収束した。
浴槽:温度42.6℃、pH8.72、ORP値は-8mvに収束した。

・ジェットバス
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2022/2/21、22:50撮
 コーヒー色の湯が泡立っている。注湯量は約20ℓ/分。微弱モール臭、微弱塩味。嗅覚的には、塩素臭は不明瞭である。ジェット噴流が3台。4段の階段状になっており、深いところで120cmある。溢れた湯は排湯口から排湯している。湯底に吸込口が2個所あり、一つがジェット噴流装置用、もう一つが浴槽循環用になっている。
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2022/2/21(大雪)、22時30分~50分、浴槽内で計測(湯口はミニボトルで採取)。循環濾過方式(一部かけ流し)&渦流湯循環、塩素系薬剤使用。
湯口:温度40.9℃、pH8.29、ORP値は105mvに収束した。
浴槽:温度39.8℃、pH8.21、ORP値は-20mvに収束した。
 塩素系薬剤が一定間隔で薬注しているので振れ幅が大きい。
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2024/2/26(大雪)、22時30分~50分、浴槽内で計測(湯口はミニボトルで採取)。循環濾過方式(一部かけ流し)&渦流湯循環、塩素系薬剤使用。
湯口:温度39.2℃、pH8.26、ORP値は39mvに収束した。
浴槽:温度39.3℃、pH8.25、ORP値は16mvに収束した。
 塩素系薬剤が一定間隔で薬注しているので振れ幅が大きい。

・漢方蒸し風呂
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公式フェイスブックより
 仕切り部屋に入ると壷に入った漢方エキスの芳香臭と蒸気が漂う。大理石椅子の足元は温泉足湯となっている。背もたれ上部からも微量の温泉が流れている。

◇遊離残留塩素測定
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2022/2/21、22時50分頃、高温湯で試料をミニボトルで採取し、遊離残留塩素測定器で遊離残留塩素濃度を測定。
測定値は0.00ppmとなり、遊離残留塩素の未検出を確認した。
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2024/2/26、22時50分頃、高温湯で試料をミニボトルで採取し、遊離残留塩素測定器で遊離残留塩素濃度を測定。
測定値は0.00ppmとなり、遊離残留塩素の未検出を確認した。

◇電位-pH図(2021/2/21)
キャプチャ
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
いずれも還元系にあり、温泉の鮮度は良好である。塩素系薬剤未使用の高温湯は還元力が高い。

・源泉風呂(高温風呂)AI(△)(エージングの進行度mv) 
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×8.7)×1000=431.1 
AI(△)=431.1-12≒419

◇電位-pH図(2024/2/26)
スクリーンショット 2024-03-08 214831

算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
いずれも還元系にあり、温泉の鮮度は良好である。塩素系薬剤未使用の高温湯は還元力が高い。

・源泉風呂(高温風呂)AI(△)(エージングの進行度mv) 
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×8.7)×1000=431.1 
AI(△)=431.1-185≒246

◇露天風呂(男湯)
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2022/2/22撮
 はるにれの木々を望める場所に露天石風呂、露天御影石風呂を配置。

・露天石風呂
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2022/2/22撮
 円形の石風呂の外周はバリアフリーのスロープ構造で歩行湯になっている。深いところで90cm。ウーロン茶色透明の湯。注湯量は約40ℓ/分。知覚的には、モール臭、微弱塩味。歩行湯と湯繋がりになっている。石風呂内側の湯底に温度調整用の湯孔が2個所ある。一方、歩行湯側の深い場所にある吐出口から高温湯が吐出している。溢れた湯は2個所ある排湯口から排湯している。湯口周辺で泡付きもある。
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2022/2/22、11時15分~50分、円形浴槽内で計測(湯口はミニボトルで採取)。源泉(冬季加温)100%かけ流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度48.8℃、pH8.74、ORP値は-471mvに収束した。
浴槽:温度40.3℃、pH8.76、ORP値は-270mvに収束した。
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2024/2/27、11時10分~20分、円形浴槽内で計測(湯口はミニボトルで採取)。源泉(冬季加温)100%かけ流しで、塩素系薬剤未使用。
湯口:温度46.1℃、pH8.74、ORP値は-306mvに収束した。
浴槽:温度40.1℃、pH8.74、ORP値は-38mvに収束した。

・露天御影石風呂
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2022/2/22撮
 東屋の露天風呂に3台の寝湯(ジェット浴槽)を設置。ウーロン茶色透明の湯。注湯量は約30ℓ/分。知覚的には、微弱モール臭、微弱塩味。湯底に5cm湯孔2個所、10cm湯孔1個所あり。排湯口付近の5cm湯孔と10cm湯孔は吸込口になっている。残りの5cm湯孔は温度調整用と思われる。寝湯の間にグレーチングで覆われたジェット噴流用の吸込口あり。溢れた湯は寝湯隣の排湯口にオーバーフローしている。
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2022/2/22、11時15分~50分、浴槽内で計測(湯口はミニボトルで採取)。源泉(冬季加温)かけ流し&底面循環ろ過併用(ジェット浴槽は構造的循環)、塩素系薬剤使用。
湯口:温度44.6℃、pH8.66、ORP値は109mvに収束した。
浴槽:温度38.0℃、pH8.75、ORP値は83mvに収束した。
 塩素系薬剤が一定間隔で薬注しているので振れ幅が大きい。 
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2024/2/27、11時10分~20分、浴槽内で計測(湯口はミニボトルで採取)。源泉(冬季加温)かけ流し&底面循環ろ過併用(ジェット浴槽は構造的循環)、塩素系薬剤使用。
湯口:温度46.1℃、pH8.66、ORP値は104mvに収束した。
浴槽:温度41.0℃、pH8.82、ORP値は115mvに収束した。
 塩素系薬剤が一定間隔で薬注しているので振れ幅が大きい。 

◇遊離残留塩素測定
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2022/2/22、11時50分頃、露天石風呂で試料をミニボトルで採取し、遊離残留塩素測定器で遊離残留塩素濃度を測定。
測定値は0.00ppmとなり、遊離残留塩素の未検出を確認した。
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2024/2/27、11時20分頃、露天石風呂で試料をミニボトルで採取し、遊離残留塩素測定器で遊離残留塩素濃度を測定。
測定値は0.00ppmとなり、遊離残留塩素の未検出を確認した。

◇電位-pH図(2022/2/22)
キャプチャ
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。 
いずれも還元系にあり、温泉の鮮度は良好である。塩素系薬剤未使用の露天石風呂は還元力が高い。
・露天石風呂AI(△)(エージングの進行度mv)
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×8.8)×1000=426.4 
AI(△)=426.4-(-75)≒501

◇電位-pH図(2024/2/27)
スクリーンショット 2024-03-09 201231

算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。 
いずれも還元系にあり、温泉の鮮度は良好である。塩素系薬剤未使用の露天石風呂は還元力が高い。
・露天石風呂AI(△)(エージングの進行度mv)
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×8.7)×1000=431.1 
AI(△)=431.1-158≒273