日本で最初にナウマン象の化石を発掘した忠類(2006年2月、幕別町に編入合併)にとってナウマン象はシンボル的な存在。道の駅・忠類にある「ホテル・アルコ」のアルコの語源はイタリア語で弧・アーチを意味する。麦飯石を埋め込んだ外観はナウマン象の肌をイメージしている。
竹下内閣のふるさと創生事業で忠類村に1億円が交付される。忠類村は「ふるさと創生会議」で丸山南麓に温泉探査を企図し、平成3(1991)年7月から温泉ボーリング探査が始まる。硬い岩盤に阻まれ、温泉が果たして出てくるか危ぶまれたが、1,100m掘削したところで、平成4(1992)年2月に自噴を確認した。その後の道立衛生研究所の調査によると、湧出量440ℓ/分、泉温25.6℃、アルカリ性単純泉の泉質と分かった。
平成4年(1992)5月、住民の希望でプレハブ平屋建て簡易浴場施設「健康ハウス」が湧出地点に作られる。総事業費11億円を投じて、「ナウマン温泉ホテル アルコ236」が平成6(1994)年8月に完成。236は国道236から命名(数年前から236を外している)。丸山の麓から温泉をパイプラインで圧送している。指定管理者の㈱忠類振興公社が運営していたが、平成29(2017 )年 4月より公社から業務委託を受けて (株)アンビックスが運営している。平成29(2017)年6月、新露天風呂完成。令和4(2022)年4月から指定管理者が㈱忠類振興公社から(株)アンビックスに変更になった。
●参考資料
「忠類村史」他
◇基本データ
■幕別町忠類白銀町384-1、入浴料:大人500円、11時~22時30分(OS)、朝風呂5時~7時30分(OS)
■公式HP
◇宿泊(2020年4月)
じゃらんネットプラン☆1日3組限定★6月30日までず~っとお得な【1泊朝食】お値打ちプラン♪お部屋おまかせで一宿。6,350円(税込・サービス料込・入湯税込)。チェックイン可能時間15時~22時、チェックアウト10時。
コンクリ打ちっぱなしの館内。中庭には大きな石が無造作に置かれている。
案内されたのは2階和室。布団は初めから敷いてある。
トイレ・洗面所付き。入浴時間15時~24時。5時~8時。エレベーターなし。無料Wi-Fi接続可。
◇食事(2020年4月)
食事はレストラン「郷里 ちゅうるい」でとる。朝食は7時~9時。
レストランメニュー表
・夕食
晩酌セット生ビール付き(2,000円)を注文。ギンギンに冷えた生ビール。
朝食付きで止宿して、夕食をレストランで別途注文したほうが出費は安く済む。
ゆり根かき揚げ、鶏の竜田揚げ、寿司、サラダ、茶碗蒸し、刺身、煮魚、漬物。
・朝食
朝食はチェックイン時に貰った朝食券を渡す。バイキングになっている。
トレーに載った焼き魚、肉じゃが、野菜炒めはスタッフが配膳。他はセルフバイキング。
カレーもある。
フルーツ、コーヒー、牛乳。
◇宿泊(2021年4月)
どうみん割・とかち割の為電話予約。 十勝割で4月1日~6月30日までのお得なプラン~+どうみん割「新しい旅のスタイル」で予約。10,150(消費税込・入湯税込)-5,000円(とかち割)-2,500円(新しい旅のスタイル)。チェックイン15時、チェックアウト10時。
案内されたのは1階洋室。無料Wi-Fi利用可。
ゆり根白玉ぜんざいが冷蔵庫に入っていた。
洗面所とトイレは別になっている。
◇食事(2021年4月)
食事はレストラン「郷里 ちゅうるい」でとる。夕食17時~20時30分、朝食7時~9時。チェックイン時に貰った夕食券、朝食券を渡す。客席は客室番号に座る。
・夕食
郷里膳春のお品書き
郷里膳、中生ビールは別料金。
菜の花と白菜のサラダ、生ハムと鯛、春のリーフとルビーとゆり根 十勝ばんえいマッシュルームのオリーブオイル漬け
忠類田子豆腐店の手作り豆腐とニラのゴマ豆乳仕立て~蟹と鶏新丈と共に~
忠類産ゆり根と桜海老のかき揚げ 十勝ばんえいマッシュルームとアサリ・トマトのジェノベーゼ
アスパラの白樺ポーク巻と道産牛ヒレステーキ
道産ホタテと忠類産ゆり根山菜の釜飯
釜飯、吸い物、漬物
豆乳プリン、抹茶ようかん、生チョコレートとアイス
・朝食
ハーフバイキング
客席に松花堂御膳と煮物が置いてある。
セルフサービスのご飯、味噌汁、納豆、カレー、海苔、卵
オレンジジュース、牛乳、コーヒー、ヨーグルト
■大浴場
大浴場前の休憩処。
◇温泉分析書(脱衣所掲示)
左2020/4/28撮 右2011年3月撮
平成30年9月21日に作成した温泉分析書(㈱第一岸本臨床検査センター)。泉温:25.0℃(気温:21℃)、湧出量:ℓ/分(動力揚湯)、pH値:9.6、溶存物質:0.433g/kg、成分総計:0.433g/kg、泉質:アルカリ性単純温泉(アルカリ性低張性低温泉)( 旧泉質名:単純温泉)
◇温泉成分に影響を与える項目
・入浴に適した温度に保つため加温している。
・温泉資源の保護と衛生管理のため循環ろ過装置を使用している。
・衛生管理のため紫外線の殺菌装置と少量の塩素系薬剤を併用使用している。
◎大浴場(左側)
脱衣所前に貴重品ロッカー(100円返却式)、脱衣所に鍵付きロッカー(無料)有り。
◇内風呂
2020/4/28撮
シンプルな浴室に、主浴槽、バイブラ、サウナ、水風呂、打たせ湯、シャワー付カラン15台配置、シャンプー・ボディソープあり。
・主浴槽
2020/4/28撮
ゆるやかな弧を描いた無色透明の湯。湯口の痕跡はあるが、湯は出ていない。側壁にある4箇所の吐出口から循環湯が吐出している。湯底には循環戻り口(吸込み口)が4箇所あって、吐出量とバランスが取れている。カルキ臭が漂っているが、アルカリ性のぬるぬるした浴感有り。泡付きも体感できる。
2020/4/28、17時40分~18時15分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度41.5℃、pH9.7、ORP値は340mvに収束した。
2021/4/8、15時15分~40分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度41.6℃、pH9.63、ORP値は208mvに収束した。
・バイブラ
2020/4/28撮
バイブラマットから泡湯が泡立っている。循環吐出口(2箇所)と循環吸込口(2箇所)のバランスが取れている。カルキ臭が強い。アルカリ性のぬるぬる感有り。
2020/4/28、17時40分~18時15分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度39.6℃、pH9.3、ORP値は337mvに収束した。
2021/4/8、15時15分~40分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度39.8℃、pH9.43、ORP値は274mvに収束した。
◇露天風呂
露天風呂は出入り口で大地の泉とチョマナイの泉が左右に分かれている。
2021/4/8撮
冬季、大地の泉は閉鎖している。
・大地の泉
2020/4/28撮
こじんまりした四分円の露天風呂。壁面に麦飯石を埋めている。
2020/4/28撮
無色透明の湯。側壁の吐出口(3箇所)から循環湯が注いでいる。湯底に湯孔が2箇所あり、主にカバー付き吸込口から湯が吸込まれている。一部は湯縁からオーバーフローしている。内風呂と比べるとカルキ臭は微弱である。アルカリ性のぬるぬる感あり。冬季は閉鎖。
2020/4/28、17時40分~18時15分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度40.7℃、pH9.7、ORP値は319mvに収束した。
・チョマナイの泉
2021/4/8撮
平成29(2017)年にオープンした矩形の露天風呂。チョマナイは丸山のアイヌ語。源泉は丸山南麓にある。
2021/4/8撮
無色透明の湯。側壁の吐出口(3箇所)から循環湯が吐出し、湯底の湯孔(3箇所)の2箇所から湯が吸い込まれている。一部は湯縁からオーバーフローしている。内風呂と比べると、知覚的にはカルキ臭は微弱である。アルカリ性のヌルヌル感があり、泡付きも確認できる。
2020/4/28、17時40分~18時15分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度40.7℃、pH9.7、ORP値は351mvに収束した。
2021/4/8、15時15分~40分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度41.1℃、pH9.72、ORP値は231mvに収束した。
・遊離残留塩素測定
2021/4/8、18時頃、主浴槽で試料をミニボトルで採取し、遊離残留塩素測定器で遊離残留塩素濃度を測定。
測定値は0.07ppmとなり、遊離残留塩素の検出を確認した。
◇電位-pH図(2020/4/28)
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
塩素系薬剤使用でいずれも酸化系に有る。本来還元系であるべき温泉としての特性が失われている。
・主浴槽AI(△)(エージングの進行度mv)
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×9.7)×1000=384.1
AI(△)=384.1-534≒-150
◇電位-pH図(2021/4/8)
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
塩素系薬剤使用でいずれも酸化系に有る。本来還元系であるべき温泉としての特性が失われている。
・主浴槽AI(△)(エージングの進行度mv)
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×9.6)×1000=388.8
AI(△)=388.8-402≒-13
◎大浴場(右側)
日替わりで男女入れ替わる。脱衣所前に貴重品ロッカー(100円返却式)、脱衣所に鍵付きロッカー(無料)有り。
・主浴槽
2020/4/29撮
シンプルな浴室に、主浴槽、ジェットバス、サウナ、水風呂、打たせ湯を配置。シャワー付カラン15台、シャンプー・ボディソープあり。
2020/4/29撮
ゆるやかな弧を描いた無色透明の湯。湯口の痕跡はあるが、湯は出ていない。側壁にある4箇所の吐出口から循環湯が吐出している。湯底には循環戻り口(吸込み口)が4箇所あって、吐出量とバランスが取れている。カルキ臭が漂っているが、アルカリ性のぬるぬるした浴感有り。泡付きも確認できる。
2020/4/29、5時~5時15分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度41.4℃、pH9.6、ORP値は272mvに収束した。
2021/4/9、5時10分~30分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度41.9℃、pH9.66、ORP値は214mvに収束した。
・ジェットバス
2021/4/9撮
無色透明の湯。ジェット噴射口3箇所。吐出口2箇所、吸込口2箇所、ジェット湯用吸込口(カバー付)1箇所。カルキ臭強い。アルカリ性のぬるぬる感有り。
2020/4/29、5時~5時15分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度39.8℃、pH9.5、ORP値は308mvに収束した。
2021/4/9、5時10分~30分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度40.5℃、pH9.38、ORP値は289mvに収束した。
◇露天風呂
露天風呂は出入り口で神秘の泉とヒカリゴケの泉が左右に分かれている。
冬季、神秘の泉は閉鎖している。
・ヒカリゴケの泉
2020/4/29撮
平成29(2017)年にオープンした円形の露天風呂。平成21(2009)年5月、忠類丸山の中腹にある洞窟で、ヒカリゴケと見られるコケの群生が発見された。
2020/4/29撮
無色透明の湯。側壁の吐出口(2箇所)から循環湯が吐出し、湯底の吸込口(2箇所)から湯が吸い込まれている。一部は排湯管から排湯している。内風呂と比べると、知覚的にはカルキ臭は微弱である。アルカリ性のヌルヌル感があり、泡付きも確認できる。
2020/4/29、5時~5時15分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度33.7℃、pH9.7、ORP値は256mvに収束した。
2021/4/9、5時10分~30分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度41.6℃、pH9.65、ORP値は176mvに収束した。
・神秘の泉
2020/4/29撮
こじんまりした四分円の露天風呂。壁面に麦飯石を埋めている。
2020/4/29撮
無色透明の湯。側壁の吐出口(3箇所)から循環湯が注いでいる。湯底に湯孔が2箇所あり、主にカバー付き吸込口から湯が吸込まれている。一部は湯縁からオーバーフローしている。内風呂と比べるとカルキ臭は微弱である。アルカリ性のヌルヌル感あり。冬季は閉鎖。
2020/4/29、5時~5時15分、浴槽内でORP計測。加温循環濾過方式で、紫外線殺菌装置・塩素系薬剤使用。
浴槽:温度41.8℃、pH9.7、ORP値は362mvに収束した。
・遊離残留塩素測定
2021/4/9、5時30分頃、主浴槽で試料をミニボトルで採取し、遊離残留塩素測定器で遊離残留塩素濃度を測定。
測定値は0.04ppmとなり、遊離残留塩素の検出を確認した。
◇電位-pH図(2020/4/29)
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
塩素系薬剤使用でいずれも酸化系に有る。本来還元系であるべき温泉としての特性が失われている。
・主浴槽AI(△)(エージングの進行度mv)
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×9.6)×1000=388.8
AI(△)=388.8-467≒-78
◇電位-pH図(2021/4/9)
算式を利用して標準水素電極基準に変換してから電位-pH図を作成。Ehは図表の通り。
塩素系薬剤使用で内風呂は酸化系に有る。ヒカリゴケは朝風呂測定時は平衡系だが、時間が経てば酸化系になると思われる。本来還元系であるべき温泉としての特性が失われている。
・主浴槽AI(△)(エージングの進行度mv)
ORPeq(平衡値mv)=(0.84-0.047×9.7)×1000=384.1
AI(△)=384.1-408≒-24
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